[タイトル]
がん治療関連毒性を軽減させるのためのヨガ
Yoga for the Management of Cancer Treatment-Related Toxicities
[抄録]
レビューの目的
ヨガとは何かを説明する
がん治療関連毒性を軽減させるためのヨガの効果に関する文献を要約する
がん専門家のためのヨガの活用について臨床上の推奨を提供する
最近の知見
24の第2相試験と1つの第3相臨床試験を検討した結果,ヨガ、とりわけ難易度の低いハタヨガならびにリストラティブヨガは,化学療法や放射線治療を受けているがん患者やがんサバイバーの睡眠障害,がん関連の疲労,認知機能障害,心理社会的苦痛,筋骨格系の症状に対して,安全で取り入れやすく効果的な治療法であることがわかった.臨床医はこれらの毒性に悩んでいる患者に対して,資格をもったヨガの専門家にコンサルトした上で,ヨガの活用を考慮すべきである.これらの知見を確かなものとし,患者やサバイバーが抱えるがん関連毒性を治療するためのヨガの別のタイプ,負荷の程度,提供の方法を評価するために,さらなる第3相臨床試験が必要である。
アブストラクト(要旨・抄録)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29388071
(監修・訳 : 埼玉医科大学総合医療センター ブレストケア科 矢形寛 教授 )
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2018年3月25日(日)
春うららかな温かい日差しが差し込む中
がん研有明病院にて
BCY Institute Japan設立を記念して、
『乳がんヨガ』イベントを開催致しました。
罹患者様には、乳がんヨガを身近に感じて
体験していてだき、医療従事者様には、
乳がんヨガが医療の現場でお役に立てる
可能性を探っていただきたいという
趣旨のもと、全国各地で乳がんヨガの講師
として活躍中のインストラクターが集まり、
各クラスにわかれ、
心を込めてヨガをお届けしました。
指導者養成講座1クラス(有料)、
乳がんヨガ体験クラスは
ハタヨガ3クラス、ヨガニードラ2クラス、
リストラティブヨガ3クラス(いずれも無料)。
参加者は約50名。
事前予約から楽しみにしていました。
とお声をかけてくださる方も
いらっしゃいました。
このイベント開催に向けて、
一生懸命準備を進めて参りましたが、
至らぬ点も数多くあったかもしれません。
それでも、参加者皆様の優しさに包まれ
ケガ、事故一つなく無事にイベントが開催できましたこと本当に心から感謝申し上げます。
参加者皆様からの声をアンケートに
頂戴いたしましたので、
一部抜粋してご紹介させていただきます。
[感想]
・参加者皆さんが乳がん体験者ということで
本当に安心して、無理なく参加できました。
・自分なりの無理のない姿勢でこんなにリラックスできるんだ、みんなと一緒にできるんだという時間を体験できたことに本当に感想しています。
・90分長いかなと思っていましたが、あっと言う間に時間が過ぎ、頭を空っぽにした後は
体もスッキリしていました。
・ヨガニードラ、リストラティブヨガどちらも身体に無理なくできて、ココロに効くところが魅力的でした。
・乳がんのみならず、ストレス社会に悩める人たち、病気やケガで心身ともに疲弊している人たちにもぜひオススメしたいと思います。
他にも、たくさんの感想をお寄せいただきました。スタッフ、講師一同これからの活動の励みになります。
ご参加いただきました皆様、本当にありがとうございました。
BCYInstituteJapanは、セラピーとしてのヨガを通して、乳がん罹患者様にそっと寄り添い、
それぞれの『生きる』を応援して参ります。
このような『乳がんヨガ』を知って体験していただけるイベントが全国各地で開催できますように、講師スタッフ一同、それぞれの地域での活動もガンバってまいります。
また、ご一緒に乳がんヨガを学び、必要な方へ届けてくださる方のための、『乳がんヨガ指導者養成講座』も各地で開催して参ります。
これからも、BCYInstituteJapanに関心をお寄せいただけましたら幸甚に存じます。
文責 太田りか
2017年2月18日、神戸で行われたKBCOG神戸市民フォーラム、前半に看護師経験を活かし神戸でサロンを主宰されている天井先生のヨガ体験の時間、日本医科大学武蔵小杉病院の勝俣先生のご講演、後半は質疑応答とパネルディスカッションでした。
女性患者さんからの質問にこのような声が寄せられました。
「診察後、本当はもっと色々な不安を相談したいけど、先生方が忙しくてつい遠慮してしまいます。病院に、診察後に私たちがいろんなことを聞ける、あるいは話すだけ、聞いてもらうだけでも楽になりますので、そういう場を設けてもらえるよう、医師の皆様から病院に持ちかけていただくことはできないのでしょうか。また、私はずっとヨガをしていますが、そういうヨガの場も、病院にあったらもっといいと思うのです。そういう場作りのためにお医者様に動いていただけたらありがたいのですが」
回答は勝俣先生からでした。
先生のお言葉通りではありませんが、次のような趣旨にてお返事されていました。
「確かに現状、そのようなサービスは病院によって、ばらつきがあります。特に、本来であればがん診療連携拠点病院がそのような役割を担っていく必要があるのでしょうが、まだまだ難しいことが残っています。実は、むしろ病院や国に影響力があるのは患者さんの声だったりするんですよ。私たち医師が言うより、患者さんや家族からこういう要望があるんです、ということの方が病院や国は必要性を認識するようなところがありますから、ぜひ患者さんとしてどんどんそういうことは希望を発信していってほしいと思います。」
乳がんリハビリヨガを一人でも多くの方に体験いただき、また、全国に少しづつ増えているサロンに足を運んでいただき、もっと患者さんや家族にこういうものがほしい、という声を想いを「見える化」していくことが大切と思いました。
天井先生から後ほど伺ったところ、フォーラムに参加された178名の多くの方がアンケートに乳がんヨガの希望を書いてくださっていたそうです。
がんの手帳かわら版 Vol.3でも有明がんセンターの大野真司先生がおっしゃっていましたが、まずはゴール設定です。
ヨガをがん医療に取り入れた社会を作りたいという、目指す将来像が先にありきで、それに向かって今はどうなのかを考えると、必要とされるエビデンスが見える。・・・具体的なことが自ずと見えてくるわけですよね。(大野先生)
ルナワークスは、まず47都道府県すべてに乳がんの方のためにヨガを教えられる先生が拠点する環境を目指しています。次のステップとして、その先生たちが自分たちのスタジオのみならず、病院や、患者さんを支えるサロンでヨガを提供していけるための需要の見える化を図っていくシステムデザインが必要だと感じた、大変有意義な学びでした。
(注)本記事はBCYの前身である
ルナワークスの乳がんヨガHP当時のものとなります。