2017年2月18日、神戸で行われたKBCOG神戸市民フォーラム、前半に看護師経験を活かし神戸でサロンを主宰されている天井先生のヨガ体験の時間、日本医科大学武蔵小杉病院の勝俣先生のご講演、後半は質疑応答とパネルディスカッションでした。
女性患者さんからの質問にこのような声が寄せられました。
「診察後、本当はもっと色々な不安を相談したいけど、先生方が忙しくてつい遠慮してしまいます。病院に、診察後に私たちがいろんなことを聞ける、あるいは話すだけ、聞いてもらうだけでも楽になりますので、そういう場を設けてもらえるよう、医師の皆様から病院に持ちかけていただくことはできないのでしょうか。また、私はずっとヨガをしていますが、そういうヨガの場も、病院にあったらもっといいと思うのです。そういう場作りのためにお医者様に動いていただけたらありがたいのですが」
回答は勝俣先生からでした。
先生のお言葉通りではありませんが、次のような趣旨にてお返事されていました。
「確かに現状、そのようなサービスは病院によって、ばらつきがあります。特に、本来であればがん診療連携拠点病院がそのような役割を担っていく必要があるのでしょうが、まだまだ難しいことが残っています。実は、むしろ病院や国に影響力があるのは患者さんの声だったりするんですよ。私たち医師が言うより、患者さんや家族からこういう要望があるんです、ということの方が病院や国は必要性を認識するようなところがありますから、ぜひ患者さんとしてどんどんそういうことは希望を発信していってほしいと思います。」
乳がんリハビリヨガを一人でも多くの方に体験いただき、また、全国に少しづつ増えているサロンに足を運んでいただき、もっと患者さんや家族にこういうものがほしい、という声を想いを「見える化」していくことが大切と思いました。
天井先生から後ほど伺ったところ、フォーラムに参加された178名の多くの方がアンケートに乳がんヨガの希望を書いてくださっていたそうです。
がんの手帳かわら版 Vol.3でも有明がんセンターの大野真司先生がおっしゃっていましたが、まずはゴール設定です。
ヨガをがん医療に取り入れた社会を作りたいという、目指す将来像が先にありきで、それに向かって今はどうなのかを考えると、必要とされるエビデンスが見える。・・・具体的なことが自ずと見えてくるわけですよね。(大野先生)
ルナワークスは、まず47都道府県すべてに乳がんの方のためにヨガを教えられる先生が拠点する環境を目指しています。次のステップとして、その先生たちが自分たちのスタジオのみならず、病院や、患者さんを支えるサロンでヨガを提供していけるための需要の見える化を図っていくシステムデザインが必要だと感じた、大変有意義な学びでした。